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日本学術会議第25期新規会員6名の任命拒否に関する声明

菅義偉内閣総理大臣は、10月1日、日本学術会議が第25期新規会員候補として推薦した候補者105名のうち、6名の任命を拒否し、理由を具体的に説明しないまま、任命を未だに拒み続けています。これは、日本学術会議の独立性と運営を害し、個々の研究者や学会の学問の自由を脅かす行為で容認することができません。

総理大臣が任命拒否の具体的理由を日本学術会議法に則して説明できない限り、任命拒否は法に基づかない恣意的な権力行使です。

また日本学術会議は、学問的良心にもとづき政府から独立して科学研究を行う個々の科学者を会員とする組織です。その政府からの独立性は、個々の科学者の学問の自由の集合的表現でもあります。それゆえ会員の選考基準は、あくまでも政治から独立して学術的に「優れた研究又は業績」という基準がとられています。任命拒否も拒否という選考ですから、法の定める学術的基準によって拒否を具体的に説明できない限り、日本学術会議の独立性を不当に侵すものといわざるをえず、同時に、独立性の内実をなす個々の科学者の学問の自由を不当に脅かすものとなります。いずれも日本国憲法、そしてそのもとで国民の代表により作られた日本学術会議法に則さないことです。

さらに日本はEUとの間で、価値・原則を共有するパートナー関係を、戦略的パートナーシップ協定により法的拘束力をもって結んでいます。その協定では法の支配と人権・基本的自由が、パートナー関係の基礎として不可欠の要素であると確認されています。今回の総理大臣による任命拒否の具体的理由の不提示は、法の支配を揺るがし、人権・基本的自由を軽視する行為との批判をまぬかれず、EUのパートナーとして信頼を損ないかねない行為といわざるをえません。

以上から、日本EU学会は、日本学術会議の10月2日付要望書を支持し、そこに示された①6名が任命されない理由を説明すること、および②上記6名を速やかに任命することを求めます。

2020年10月20日

日本EU学会理事会

理事長 中村民雄