Skip to content

理事長メッセージ

コロナ禍で原点を再確認する

森井理事長

 2021年4月より理事長を拝命いたしました。EU諸国でも日本でも新型コロナウィルス感染症の問題が大きな影響を持ち続けている中で、学会の運営に関わることは大きなチャレンジとなりますが、ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。既に中村前理事長体制の下で、コロナ禍における研究大会・理事会のオンライン開催も実現されましたが、2021年研究大会も感染状況が改善しないためオンライン開催となります。このような環境下ですが、学会活動はどのようにあるべきか、ここで再確認しておきたいと思います。

 学会規約第3条の規定をするまでも無く、学会の目的は「研究の促進およびその研究者の相互の協力の推進」です。法・経・政治社会という分野から構成される日本EU学会ですので、会員の間の学際的な研究の促進を一層促進することが最も重要です。2018年度より地域部会が活動を開始し、特に若手会員を中心として研究交流が活性化されたことは大きな成果であり、今後とも研究大会と連動させながら、活力ある研究を推進できる環境作りをしたいと思います。コロナ禍故に地域ごとの部会活動となっていませんが、そのかわりにオンラインでどこからでも参加できる部会活動となっております。当初の企画とは異なりますが、オンライン化は研究交流を促進するためのハードルを下げるという点では非常に貢献しているのではないかと思います。

 研究で成果をあげることは、とにかく多くの発表を行い、論文を公刊するというイメージを持つ方も多いですが、同時に質をたゆまなく向上さることも不可欠です。オリジナリティーの低い使い回しの発表、ましてや剽窃など言語道断です。学際性は専門性の低下の言い訳とはなり得ません。ディシプリンの先行研究をしっかり踏まえ、方法論的にも実証的にも、それぞれの分野で最先端の研究を発表して、議論・交流することにこそ、学会の存在意義があります。そのためには学問的に厳格で公正な査読、発表に対する建設的なコメントが不可欠ですので、会員の皆様のご協力をお願いいたします。

 私たちの研究対象であるEUは、コロナ禍で合意された巨額の復興基金の交付が始まったことや、一部の構成国のEUの基本的価値に反する行動への対処問題に象徴されるように、大きな変化のさなかにあります。私の主な研究対象はEU構成国であるドイツ政治とEUの政治の相互作用ですが、2005年以来首相の座にあり、欧州理事会の安定の軸でもあったメルケル首相も、9月末の連邦議会選挙をもって退陣予定です。他の多くの構成国でも政治のありかたが変わり、さらにグリーン化の進展、EUをとりまく国際環境の変化など、EU研究をめぐる新しい素材は尽きません。

研究課題をどう設定し、取り組むかはディシプリンによって異なりますが、オリジナリティーの高い堅実な研究を活発に行う会員の皆様が楽しく集える学会とするために、理事の皆様とも協力して運営に努めて参りたいと思います。ご協力のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。

(2021年7月29日)



過去の理事長メッセージ

中村民雄理事長(2019年4月〜2021年3月)

岩田健治理事長(2017年4月〜2019年3月)

福田耕治理事長(2015年4月〜2017年3月)

須網隆夫理事長(2013年4月~2015年3月)

久保広正理事長(2011年4月~2013年3月)

辰巳浅嗣理事長(2009年4月~2011年3月)

庄司克宏理事長(2006年11月~2009年3月)