日本EU学会の研究大会とEUSAAP2026年日本開催に向けて
2024年11月に亜細亜大学で開催された研究大会において理事長として選出されました。
法律分野の会員は政治分野や経済分野の会員と比べて少ないですので、いつか理事長が回ってくることは覚悟していました。理事長は2年任期で再選がありません。理事の仕事も理事長の仕事も、誰かがやらなければ学会が機能しませんので、選ばれれば引き受けるという心の準備はしていました。会員の皆さんも理事に選ばれたときは、どうか快く引き受けていただいて、EU学会のために尽力していただきたく思います(笑)。
理事長選出時の挨拶として、学会において重要なのは、研究大会と研究大会を基礎とした学会年報であると述べました。研究大会のテーマは、理事会における企画委員会を中心に決めていきますが、会員の方からのテーマ提案も受け付けています。2025年度の研究大会のテーマは、共通論題は「フォン・デア・ライエン体制2期目の課題」、公開シンポジウムは「EUとデジタル・AI」となっています。海外ゲストとして、ドイツのミュンヘン大学教授のUlrich Haltern先生を招聘します。また、分科会の報告は、会員から広く募り、その応募を基に構成されています。今年度は、例年よりも多くの応募がありました。おもしろい報告が聴けるのではないかと今回も研究大会を楽しみにしています。また、学会年報に掲載される論文は、編集委員会を通じ査読を経たものとなっています。これにより、年報の学術的な質の保障がされています。
また、選出時の挨拶の中で、アジア太平洋EU学会(EUSAAP)の研究大会を2026年に日本で開催したいという希望を述べました。これは、折に触れ、故田中俊郎先生(6月2日逝去)からEUSAAPの重要さを伺っていたからです。理事長になったら、EUSAAPの日本開催を実現させたいと思っていました。EUSAAP2025の研究大会は2025年6月8日、9日にマカオ大学で開催されました。参加者は、約70名でした。その理事会においてEUSAAP2026の日本開催が決まりました。田中先生の意志が配慮されたからだと思います。私は1年任期で形式的にEUSAAPの理事長になりました。EUSAAP2026は、2026年6月1日(月)と2日(火)に一橋大学の一橋講堂(千代田区)で開催されることになりました。この研究大会は、理事会における国際交流委員会の委員長であり、田中俊郎先生の1番弟子である小久保康之先生が中心に組織されます。こちらの研究大会にも多くの会員の方に応募していただきたいと思っています。中国、香港、マカオ、韓国、台湾、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、インドネシア、フィリピン、ブラジル、ポルトガル、スペインなど、アジアを中心としてEU研究者が集まり、それぞれ15分のプレゼンをする形になっています。大学院生も応募可能ですので、ぜひ積極的にこの機会を利用していただきたいと思います。
理事会には、上述した企画委員会、編集委員会、国際交流委員会の他、事務局長、広報委員会、会計、EU研究奨励賞委員会、学術関係担当、学術会議担当があり、無償でそれぞれ理事の役職のお仕事をされています。ちなみに理事会は、各分野10名、計30名で構成されています。5月の理事会では5時間を超える会議がありました。現在は、会員数は420名程度ですが、さらに会員数を増やすため、日本EU学会を魅力的にものにするため、理事会で知恵を絞っています。どうか会員の方々も日本EU学会がより良いものなっていくように主体的にかかわっていただきますように、また、大学院生やEUに関心のある研究者に入会を勧めていただきますようにお願いします。
(2025年7月4日更新)
過去の理事長メッセージ
高屋定美理事長(2023年4月〜2025年3月)
森井裕一理事長(2021年4月〜2023年3月)
中村民雄理事長(2019年4月〜2021年3月)
岩田健治理事長(2017年4月〜2019年3月)
福田耕治理事長(2015年4月〜2017年3月)
須網隆夫理事長(2013年4月~2015年3月)
久保広正理事長(2011年4月~2013年3月)
辰巳浅嗣理事長(2009年4月~2011年3月)
庄司克宏理事長(2006年11月~2009年3月)