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理事長メッセージ

メッセージ1

2017年4月より2年の任期で、日本EU学会理事長を拝命致しました。会員の皆様と力を合わせ、また関係諸団体とも協力しながら、学会の一層の発展を目指して微力ながら尽力して参りたいと存じます。

1980年の創立以来、日本EC/EU学会は、様々な困難や危機に直面しつつも、常に統合を「深化」させつつ「拡大」するEC/EUを研究対象としてきました。ところが昨年6月の英国のEU離脱決定(Brexit)を境に「拡大」はもはや所与ではなくなり、本年3月に欧州委員会が発出した『欧州の将来に関する白書』では「深化」を放棄するシナリオも検討されています。巷にはEUやユーロの崩壊をタイトルとする文献が広く流通しています。個人的にも、他分野の研究者から「消滅するEUを研究して何になるのか…」といった言葉が投ぜられるようになりました。

もちろんEUはそう簡単には崩壊しませんし、ユーロも制度改革次第では存続発展が可能であることは言を俟ちません。しかし同時に、私たちEU研究者は、なぜEU統合が困難に直面しているのか、そしてそうした困難をどのように解決可能なのか、ディシプリン横断型学会の強みを生かして解明し、その成果をブレることなく社会に発信するという大きな課題を新たに背負ったものと考えられます。その成否は、学会の中長期的な消長にも大きく影響して参りましょう。その意味で、この間、当学会会員が長年の研究に裏打ちされた的確な知見を、各種メディアを通じて広く社会に発信していることは大変意義あることと考えます。

そうした社会的成果を生み出す学会のアカデミックな活動の基軸は、いうまでもなく年次の研究大会と『日本EU学会年報』であります。加えて本年度は、7月1〜2日に、2005年の慶応義塾大学大会以来12年ぶりにアジア太平洋EU学会(EUSA-AP)大会が日本で開催されます。開催校の青山学院大学・羽場久美子理事を中心に大会実行委員会が組成され精力的に準備をいただいております。世界20カ国以上から約150名の参加が見込まれており、ホスト国の学会として是非とも成功させたいと考えております。また本年11月18〜19日には九州大学にて、第38回(2017年度)研究大会が共通論題「ローマ条約60年―危機の中の再検証―」のもとで開催されます。同大会では、試行的にポスターセッションも設けられます。多くの会員の皆様の参加をお待ちしております。

さて、ピーク時の2000年代に500名を優に超えた学会会員も、2017年3月末時点で467名にまで減少しています。少子高齢化、日本の高等教育政策における人文学・社会科学の軽視(=組織再編圧力や予算削減等)、インターネット時代の「地域研究」の手法や社会的役割の変化など、諸要因が複合的に絡みあった結果と考えられます。会員全体の努力で学会大会や学会誌のアカデミックな質を維持・発展させることこそが、こうした流れに抗する基本と考えますが、加えてこの間、歴代理事長・事務局長のイニシアティブのもと、理事選挙制度の導入・改革、大会プログラム拡充のための企画委員会創設、国際交流委員会の創設、若手会員育成のための地域部会の立ち上げ決定など、学会活性化に向けた各種の積極的な改革が実施されて参りました。また学会運営のサステナビリティという観点から、従来事務局長に過度に集中していた業務の分散化も図られて参りました。こうした改革に取り組んでこられた歴代執行部の皆様、とりわけこの3月に退任された福田耕治理事長と小久保康之事務局長に厚く御礼申し上げます。

今後とも、後任の森井裕一事務局長と力をあわせ、学会運営の一層の活性化に取り組んで参る所存です。本年4月の理事会では、直近の理事長・事務局長経験者からなる制度改革委員会も立ちあがり、改革を継続する体制も整えられました。他にも、地域部会の具体化、EUSA-AP大会開催後の新たな長期的予算方針の確立、学会員向けメール配信システムの再構築など課題が山積しております。今後2年間、会員の皆様のお知恵を得ながら、こうした諸課題に取り組んで参る所存です。何卒よろしくお願い申し上げます。

(2017年6月30日)


過去の理事長メッセージ

福田耕治理事長(2015年4月〜2017年3月)

須網隆夫理事長(2013 年4月~2015年3月)

久保広正理事長(2011 年4月~2013年3月)

辰巳浅嗣理事長(2009年4月~2011年3月)

庄司克宏理事長(2006年11月~2009年3月)